WordPressのデバッグモード
デバッグモードを有効にするには、WordPressの設定ファイルであるwp-config.phpの中にある定数 WP_DEBUG を true に設定します。これにより、PHPのNoticeやWarning、Deprecated(非推奨)に関する警告が画面やログに表示されるようになります。ただし、本番環境でのエラー表示は推奨されていませんので、代わりにエラーログに書き出す設定を行い、利用者に影響を与えない形で運用するのが一般的です。
WP_DEBUG_LOG はログファイルへの書き込みを制御する定数で、これを true に設定すると、デバッグ情報が wp-content/debug.log というファイルに記録されます。このログファイルは詳細なエラー情報を時系列で保存するため、複雑な問題の解析に欠かせない資料となります。ログファイルの権限設定にも注意を払い、外部からの不正アクセスを防ぐことが大切です。
また、WP_DEBUG_DISPLAY という定数で画面へのエラー表示をオン・オフできます。開発中は true にしてエラーをすぐに確認しますが、本番環境では false にしてエラー情報がユーザーに見えないようにすることが望ましいです。
デバッグモードを使うと、特にテーマやプラグイン内で使われている古い関数や非推奨の機能に関する警告が表示されます。WordPressは継続的にバージョンアップされており、APIも更新されているため、古いコードをそのまま使い続けると互換性の問題やセキュリティリスクが発生する恐れがあります。カスタム開発をしている場合には、デバッグモードはトラブル解決のために非常に重要なツールです。関数の引数のミスやSQLクエリのエラー、未定義の変数使用など、通常は画面に現れにくい問題点を洗い出してコードの健全性を保つのに役立ちます。
さらに、SCRIPT_DEBUG という定数もあります。これを有効にすると、WordPressは圧縮されていないデバッグ用のJavaScriptやCSSを読み込みます。これにより、フロントエンドのJavaScriptエラーやスタイルの問題を解析しやすくなります。
デバッグモードを利用する際には、開発環境やテスト環境では有効にして、本番環境では無効にするなど、環境ごとに設定を切り替えることが推奨されます。wp-config.phpに条件分岐を記述して環境判定を行う方法が一般的で、これによって本番環境での誤表示を防止できます。また、デバッグモードと合わせて使うと便利なのが、Query MonitorやDebug Barなどのプラグインです。これらは管理画面からSQLの実行状況やフックの呼び出し順、HTTPリクエストの内容、PHPのエラーなどを詳細に確認できるため、パフォーマンスの問題やバグの特定に大きく貢献します。
デバッグモードは問題を発見するための手段であり、検出したエラーはできるだけ速やかに修正することが重要です。ログが溜まりすぎるとサイトの動作に影響を与える場合もありますので、問題解決後はデバッグモードをオフにし、ログの管理や定期的な削除も忘れずに行うことをおすすめします。
WordPress カスタマイズ
WordPress(ワードプレス)のカスタマイズについて WordPressテーマ編集やWordPress関数など
PR